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三角形の内心・外心・重心・垂心・傍心

平面上に与えられた任意の三点 A(x1, y1), B(x2, y2), C(x3, y3) があるとき、△ABC の内心・外心・重心・垂心・傍心を愚直に求めてみる。

内心

まず、l = AB, m = BC, n = CA と置くと
  
  
  
である。ここで内心を P とし、BP と AC の交点を D とする。BD は ∠ABC を二等分することより AD : DC = l : m だから、
  
である。また AD = ln / (l + m) であることを考慮して、AP は ∠BAD を二等分することより
  
となるから、
  
が得られる。ゆえに内心は
  
    
と求められた。内心の座標を (X, Y) と置くと、これは
  
  
と書き直すことができる。

なお、内心の半径を r とすると、
  
とおくとき、r は
  
と求められる。

外心

線分 AB の垂直二等分線上の点は、パラメータ s を使って
  
と書ける。同様に線分 BC の垂直二等分線も、パラメータ t を使って
  
と書ける。三角形の外心 (X, Y) はこれらの交点だから、上の連立方程式を解いて
  
より、上の式に代入して、三角形の外心の X, Y 座標は
  
  
と求められた。

重心

重心 (X, Y) はとても簡単で、
  
でおしまい。

垂心

まずは
  
  
  
である。垂心を P とすると、AP⊥BC より
  
BP⊥CA より、
  
とすれば
  
となる。これらは k, l についての連立方程式を成すので、これを解くと l は
  
となる。よって
  
だから、これに l を代入すれば、垂心 (X, Y) は
  
  
と求められた。

正三角形の場合

例えば
  
とおくと、上のすべてが
  
となって一致する。

傍心

傍心は全部で三点あります。△ABC の内心を Q とすると、AQ 上にあるところの傍心 P1 をまず求めてみる。また、l, m, n の意味は内心の場合と同じであるとする。

中心を P1 とする傍接円と BC の接点を D、AB との接点を E、AC との接点を F とする。このとき BE = e, CF = f とすると
  e + f = m
  l + e = n + f
より、
  
となる。ゆえに
  
であり、また
  
とおける。ここで EP1⊥AB であるから、
  
より k についての方程式
  
が得られるので、これを解くと
  
となる。あとはこれを上の式に代入すると、傍心 P1
  
    
と求められた(cos は余弦定理を使って消す)。これは内心の式と非常に近い。P1(X, Y) とすると、これは
  
  
と書き直すことができる。

これから、他の傍心 P2, P3 も類推して求められるだろう。一応書いておこう。
  
  
しかしあとから思うと、l, m, n の順番をまちがえたね。当然 BC = l, CA = m, AB = n とすべきだった。この方がきれいだよね。



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